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占星学紀行 vol.3
心の故郷インドへの旅

アーユル・ヴェーダセンターで心身の毒出し
2005年12月27日〜2006年1月17日


インドへ旅すると、私はまるで故郷に戻ったような心持ちになります。年末年始をアーユル・ヴェーダセンターで過ごし、心も体も生まれ変わって2006年を迎えました。

センターのメインの部分。
この他にも、宿泊やトリートメントのための施設がたくさんある。



インドは私の人生の節目、節目で必ず係わってくる国です。最初にアルバイトをしたのがインドレストラン、そして今では笑い話ですが、最初に英語を勉強したのもインド人の先生(インド英語のように強いなまりのある英語を最初に習う人はまずいない)でした。さらに、運命を左右するような出会いを経験したのもインドレストラン。旅行添乗員の仕事をしていたとき、最初に海外添乗した国もインドだったのです。
そして、それから数年後のこと、とある有名霊能者に「あなたの後ろで見守っているのはインド人ですね。北インドに住んで、村人たちに説教をしていた人。とてもハンサムな男性ですよ」と言われました! これがまさに“最後のとどめ”となりました。「やっぱり」と妙に納得した私は、以来ますますインドに傾倒するようになったのです。

アーユル・ヴェーダに出会ったのは比較的最近。でも、アーユル・ヴェーダを学んだとき、薬学を勉強したときよりずっと学びの速度が速く、自己との一致感が強かったのです。もしかしたら過去に勉強していたことがあるのかも・・・と感じたりもしました。
アーユル・ヴェーダに関心を持って学び始めたのには、インド発祥ということ以外にもう一つの理由があります。それはアーユル・ヴェーダで分類しているタイプ(ドーシャ)が占星学に通じていること。特にインド占星学(Vedic Astrology)では、アーユル・ヴェーダとの関係は切っても切れないものです。このドーシャは食事や生活環境によって変化します。今の私の関心は「本来持って生まれた星の力に、現在の食事や生活習慣が影響をおよぼすか?」ということなのです。

・・・と言うわけで今回、何度目かのインド旅行へ。インドに行ったことのある方ならおわかりのように、決してキレイ(衛生的)な国ではありません。ストレスを感じる場面も色々ありそうなのに、これがインドとなるとまったく気にならないんです。あぁ帰ってきた・・・という気持ちになってしまうから不思議です。


数十年ぶり! アルコール抜きの年末年始

今回は、マイソール(Mysore)にあるアーユル・ヴェーダのセンターで『パンチャカルマ』のコースを受けるのが大きな目的でした。これは体の毒を出すコースで、期間は7泊8日。食事は3食すべて菜食、もちろん禁酒・禁煙。私はほとんど菜食だしタバコも吸わないので、この中できついのは禁酒です。しかも行ったのは年末、いつもなら年末年始はパーティー続きなのに、アルコール抜きの、なんという清らかな生活でしょう! なんだかこれだけで毒が抜けてしまいそうです。
このセンターにはドクターもいらして、安心してトリートメントを受けられます。しかもとても清潔な施設で、ここだけはまるでオアシスのよう。

宿泊者を迎えてくれるプールサイドの入口。
31日の夜はプールサイドでパーティー。
こんな静かな年越しパーィーは記憶のある限り経験したことがない。
地元の遊戯団も来てくれた。




体内の毒素が消え、清々しいエネルギーを感じる

『パンチャカルマ』のコースを受けている間、毒を出す過程では、イライラしたり頭痛がしたり色々な症状が飛び出てきます。今まで見たことのないような悪夢や変わった夢を毎晩見ました。

人によって出てくる症状には個人差がありますが、症状が出るたびに、体内に毒が溜まるということが、いかに精神に悪影響をおよぼすかということを体感しました。
毒が排出されていくと、急に全身にエネルギーがみなぎってきます。まさに生まれ変わった感覚! それまでは、とても街に出かける気などなかったのに、急に好奇心の塊のような気分になり、4日目にマイソールの街に出てみました。街の人に溶け込んで、あちこちで立ち話を楽しみました。

マイソールの街中で。

花売りの人と一緒に。
長さで値段が決まっている。
40cmで2ルピー。とってもいい香り!

皆デジカメに映る自分の姿を見たがって、集まってくる。


『パンチャカルマ』終了!

8日間のコースを無事終了、身も心も軽やかに。でも実はこの時点ではまだ疲れが溜まっているのです。毒を出すということは、肉体的にも精神的にも簡単なことではありません。もちろん、この後の生活がとても大切になります。


デリーで2006年の初ビール

センターでの日々を終えた後、クルマでデリー(Delhi)へと向かいました。
まずはマイソールから、インドのシリコンバレー(情報・通信・コンピュータ産業の中心地)と呼ばれるバンガロール(Bangalore)へ。この約3時間の道のりが大変でした。インドでのクルマの運転は、日本とはかなり勝手が違います。怖くて心臓がドキドキしてしまいます。ここではなるべく何も考えないようにするのがコツ。
バンガロールからデリーまで、さらに飛行機で約2時間。やっとホテルに到着しました。
ここで身も心も自由となった私は早速ホテルのハッピーアワーへ直行。この最初の一杯のビールの美味しかったこと!! しかし、今、毒を溜めたら、『パンチャカルマ』の意味がなくなってしまうので、心を鬼にして1杯目だけでストップ!
その後に行ったデリーのフードマーケットでは、スパイスの店で色々と買い込んでしまいました。

フロントの青年モハメットと看護婦さん。

店主とすっかりお友達になり店の中で1枚。



巡礼の街・ハルドワール、リシュケーシ

残りの旅はインドの北、ハルドワール(Hardwar)、そしてジョージ・ハリソンが篭ったことでも有名なヨガの発祥地リシュケーシ(Rishkesh)へと向かいました。このあたりは、巡礼者や修行僧の多い地域。ハルドワールは巡礼者が多く、リシュケーシは修行僧が多い街です。
ガンジス川の上流なので、水も綺麗だし流れの勢いもあり、聖なる水を感じる場所です。ベナレス(テレビなどでよく紹介されるヒンドゥーの聖地)で見るガンジス川とは趣きが異なっています。ただし、ここでも街中は貧困に苦しむ人が多く見うけられ、とても平常心では歩けません。人生について深く考えさせられる場所だと言えます。
ここハルドワールでは、12年に一度、3ヶ月半もの間ヒンドゥーの大祭『クンブ・メーラー』が行われます。この大祭の時期には、インド全土からサドゥー(修行者)達が集まります。巡礼者の数は数千万人にも達し、みなガンジス川で沐浴をするのです。

ハルドワールの橋から見えるガンジス川。

リシュケーシのガンジス川。



Sビールを巡る非日常的な出来事

アーユル・ヴェーダのセンターでは、お正月らしい雰囲気がまったくなかったので、ここであらためてパーティーをしようと意気込んでいました。ところが・・・。
滞在していたハルドワールは町全体が菜食。しかも、どこにもアルコールが売られていないのです。「ここでやっと、新年のパーティータイム!」と意気込んでいた私は、簡単に諦められませんでした。「うぅ・・・何とか・・・」と思い、ホテルのフロントのお兄さんに、ビールの調達をお願いしてみることになりました。

―――以下が私とお兄さんの会話。
「あの、ビールが欲しいんですけど、どこで買えますか」
「ビール? 買えないよ」
「そういうお店とか、バーとかないんですか」
「ないねぇ・・・」
「もしかしてこの州って禁酒でしたっけ」
「いゃあ…そうじゃないけど・・・どうしても欲しいの?」
「どうしてもと言うか、もし手に入るならぜひ!」
ここで、フロントのお兄さんは、近くにいた人に目配せ。
「OK!何とかするから、部屋で待っていて」
まるでドラッグを買っているみたい。
「部屋でですか? どのくらい待つの?」
「30分ぐらい」
部屋にもどって、待つこと1時間以上。もうどうでもいいやと思ったその時、お兄さん登場。
「遅くなっちゃって。このバッグに入れて来たから、空き瓶もこのバッグに入れておいてね」
草で編んだバッグの中には、布きれに包まれた数本のビールが。
「あの、もう一度確認ですけど、これ(ビール)って違法じゃないですよね」
「うん、違法じゃないよ」
そして手に入れたのがこのビール(写真)。
ここまで苦労して手に入れたビールの味は・・・まずい!! ビール好きの私が「もう一生ビールは飲まなくてもいい」と思ったほど!
でもこれぞ旅の楽しさですね。非日常的なことが起こるほど、旅が楽しくなります。非日常という点では、インドは申し分ないところです。予想通りに事が運ぶことはまずありません。

“SUPER STRONG”と書いてある。これだけで何か怪しい。




やはり、私はインド人!?

ハルドワード滞在中、近くの国立公園チラ(Chilla)へ足を伸ばしました。ここではゾウの世話をしている家族とお友達になってしまいました。子供が大好きな私としては最高の時間を過ごしました。
インドでは、誰もが自分の出生時の星のデータを知っています。なので、星の話からすぐにお友達になれます。それと同時に、星のデータで自分のすべてが相手に分かってしまうと考えているので、簡単には教えてくれないこともあります。ホロスコープを解読することがどのような意味を持つか、みなよく分かっているのですね。

デリーに戻り、いよいよ帰国の途へ。
無事インド旅行を終えて、そろそろ日本が恋しくなってもいいはず。なのに私は、すでに帰りの飛行機の中で、次はいつ来ようかと心弾ます・・・といった状態です。やっぱり私は、前世でインド人だったのかもしれません。

チラの家族と。

小象のシバ、私の横の女の子とは大の仲良しに。
彼女は天秤座、その妹は乙女座。



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